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  倉間








「なまえ、」
「んー?」
「んー?じゃねえよ、
いい加減にどけ」
「えー?」
「とぼけんな」
「………なんか、今日のり機嫌悪いね」
「お前のせいでな」



ちぇー、のりのケチ。膨れっ面で俺に舌を出したなまえは、渋々俺の背中から降りた。こいつが背中に乗るまで、俺は寝転んで週刊少年雑誌を読んでいた。いや、こいつが乗って来ても、意地になって読み続けていたのだけど、流石に十分を越えると我慢の限界で。お、三十分。俺頑張った。



「だってのりが構ってくれないんだもん」
「さっきまで馬鹿みたいにでっけー声で電話してたの誰だよ」
「………」
「話し掛けたら電話してるんだから黙ってて!ってキレたじゃねえか」
「……すみませんでした」
「ふーん……?」
「もう、ごめんってばー」



ガキの頃から変わらず馬鹿だ、こいつ。中学入ったらちったあマシになるかと思ったけど。俺の予想を裏切るのがなまえで。全然変わんねえわ。絶対、俺のこと男だとか思ってねえもん。



「ばーか、」
「え、なになに、反抗期?」
「うるせえよ、ばーか」
「どーしたの、のりー?
あ、もしかして寂しかった?」
「……どこをどう解釈したらそうなるか、簡潔に言ってみろ」
「利口ぶっても似合わないよ?」
「…………うっせえよ、ばーか」
「もう!
だからなんなの?」



俺の上から退いたなまえは、膨れっ面のままベッドに上がると寝転がった。おい、俺のベッドだぞ。あはは、のりの匂いがするー。匂いってなんだばか。別に嫌な匂いじゃないよ?……なんで俺が床でお前がベッドなんだよ。早くどけ。



「のりもくれば?」
「…狭えよ」
「あれ、もしかして照れてる?」
「んなわけあるかよ
なにをいまさら、なまえ相手に照れる必要があんだよ」
「だよねー」



じゃあいいじゃん、ちょっとあけてあげるから。だから俺のベッドだ。半ば強引に腕を引かれて、ベッドに上がれば、なまえはまた俺の上に乗ろうとしたから、頬をつねっておく。おー、間抜け面。



「いひゃいよ、」
「自業自得だ」
「だって、のりの近くが一番落ち着くんだもん」
「だからって、なんで乗るんだよ
こっちは重いんだよばーか」
「なっ、レディに向かって重いって言ったなー!!」
「いってー!!
何すんだよ馬鹿力!」
「のりが悪いもん!」



いってーな、なんつー馬鹿力だこいつ。首とか、殺すきかってーの。暫くしてもぎゃーぎゃー煩いなまえを放っておいて、俺はまた雑誌を読み始めようとなまえに背を向けると、段々と静かになった。はあ、ちょっとは懲りたか。



―――――ぎゅうっ



「のり、ごめん
わたしが悪かったです」
「………俺も、悪かった」



そんな悲しそうな声で言われたら、許すしかねえだろ。










どの絵の具を足すべきか




呆れるほど馬鹿馬鹿しいやりとりが、俺たちの日常。










イナGO!第二号は倉ちゃん!
まじ可愛いよねこの子。
南沢さんとセットならなおハッピー!!な管理人得で成り立っています(りきむ)
そしてこれは管理人の理想の幼馴染像である。


お題:alkalismさまより


11_12_06


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