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  松川





※HQ!です。
取扱ジャンル外ですのであまり自信がないですが上げます。
もしかして:矛盾



「あ、いた、あだ名ー」
「…?
松くん…なに?」
「ごめーん、電子辞書貸してくんね?
5限英語なのに忘れたんだわ」
「それはお気の毒に…
じゃあ、ちょっと取ってくるから待ってて」
「ありがとなー
ずっとでも待ってるわ」
「それはちょっと…気持ち悪いからやめてね」
「うわ、冗談だったのにマジで返された…つらい…!」
「松川うるさい!」
「あたしたちからなまえとっといて何様?!」
「ははっ、わりーわりー!」



昼休みに来週の練習試合の説明をする、と言われ、先程まで会議室に早々に集められていたため、昼食もまだである花巻達は、階は同じだからと一緒に教室まで帰ってきていた。

及川に至っては、誰がそういうのを漏らすのかは知らないが、「ミーティングお疲れさまです!お昼まだだって聞いたので、よかったらどうぞ!」だなんて、明らかに手作りの弁当を道中に女子からもらっていた。

「誰なのかよくわかんないやつからもらったやつよく食えるな」なんて冷めた目で言った岩泉に、「えー?岩ちゃん僻みー?!!」なんて返していつものようにしばかれている及川を放っておいて、スタスタと先を歩いていた花巻と松川だったが、事態は普段からトラブルメーカーな及川とは違って、優等生タイプの松川によって意外にももたらされた。



―――――彼は至って自然に、自分のクラスではない教室に入って行ったのである。



隣を歩いていた花巻には「ちょっと寄ってく」と言っていたらしいが、それを知らなかった及川と岩泉は突然いなくなった松川に驚いて、松川が入って行った教室前で立ち止まっていた花巻に合流し、指差された先を見た。



「な、なにあれ…まっつんが!女の子としゃべって…?!」
「あ、及川くんだ!」
「えー、あんたまだ及川なんかに夢見てんのー?ないわー」
「ひど!」



及川が勝手にそのクラスの女子と話しているのはスルーして、岩泉が「あー、そいつだったか」となぜか納得顏をしたのを見逃さなかった花巻は詳細を催促した。



「なんか1年の時に、松川と同じクラスだったやつらしい
1回隣の席になって、そんで松川が懐いたとかなんとか…
マジだったんだな、ただの噂だと思ってた」
「……あー、思い出したわ
みょうじさんね、みょうじさん
1年の時の話だから、まだ続いてるとは思わなかったわ」
「そっか!
マッキーとまっつんは1年の時は同じクラスだったもんね!」
「うるせえクソ川
突然入ってくんなボゲェ!」
「悪口略さないでよ!
なんか今日岩ちゃん機嫌悪くない?!
仲間外れよくないよ!!
そんなに及川さんがモテるのが憎いの?!!」
「ちょーっと話進まないから黙っとこーな、及川?」
「マッキーまでひどい!」
「なになにー?なんか盛り上がってんじゃん
何の話?」
「あ、おかえりまっつん!」



「みょうじさんかわいいねー!狙ってんの?」なんて、ノリで、悪ふざけてなのか、狙ってなのかは分からないが尋ねた及川だったが、松川から帰ってきたのはまた予想外なものだった。



「ん?あだ名?
あー、……いくら及川でもやらねえからな?」















俺だって夢見る男子高校生ですし?




(ま、松川が…)
(マジか…)
(え?なに?
俺別にやる気無し男じゃないからね?)
(…いや、なんか、その……)

(突然我が子が結婚相手を連れてきた心境…?)
(そう!それだ!)
(はあ?
お前らみんなして頭でも打ったか?)










別にSSでもよかったんだけど、こーいう周りが騒ぐだけの中編くらいのやつやりたくて!
みんなすきなんだけど、最近青城がきてて!!
まっつん!マッキー!本命は岩ちゃん!!
2年も1年もいい子多い!
及川…?ああ、ハンガーの人ですか?
別に嫌いじゃないよ、うん。


14_09_17




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テーマ「人外ファンタジー」
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