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  倉間








「のりー」
「んだよ、」
「数学の教科書貸してー!」
「…俺のクラス、次なんだけど」
「知ってる」
「バカかお前!
だったら早く違うクラス行って借りてこいよ!」
「のり、優しくなーい」
「優しいとかの問題じゃねえだろッ!!」



実はのりの反応がいちいちかわいいもんだから、ちょっかいを出したくなるなんて言ったら怒られるのは目に見えているのでやめた。わたしにとってのりは、かわいいかわいい小さな幼馴染です。最近はちょっと口が悪いけど。



「ちゅーかみょうじ、俺らには聞かねーの?」
「あ、いたの浜ちゃん」
「ひっどー」
「相変わらず浜野くんにだけ厳しいですね、みょうじさん」
「そうかなー?あ、おはよーね、速水くん
ちゅーかのりと同じクラスなんだから、聞いても意味なくない?」
「真似すんなよなー
えー?俺ならみょうじに貸してやるぜくらい言っちゃうけどー?」
「で、結局?」
「気持ちだけ貸してあげる」
「ごめん浜ちゃん、時間返して」
「うるせえ、バカなまえ!
さっさと他クラスあたってこい!」
「なんでわたしだけ?!」



のりに追い出されるように教室を出ると、ちょうど移動教室なのか、廊下で神童くんとすれちがった。



「神童くん、!」
「どうした、みょうじ…」
「あ、蘭ちゃんいるじゃん!じゃあ蘭ちゃんでいいや」
「……相変わらず勝手に解決するな、みょうじは」
「まぁねー!」
「神童は褒めてないぞ、なまえ
それにいい加減にその呼び方やめろ」
「えー?いいじゃん、かわいいんだから」



数学の教科書貸して、と蘭ちゃんこと霧野蘭丸くんに手を出すと、俺たちこれから移動なんだけどと言われる。



「知ってる」
「知っててやってるのか!!」
「いーじゃん、早くとってこれば間に合うって!」
「お前それ人にものを頼む態度じゃないよな」



ったく、しょうがないな、とわたしに荷物を預けて蘭ちゃんは教室に戻っていく。その間に神童くんに大体教科書を忘れるお前がどうたらと怒られる。あーあ、これが面倒だからのりのとこ行ったのになあ。神童くんいい人だけど、なんか過保護っていうか、うん。



「おいみょうじ、聞いてるのか?!」
「も、もちろん…!
あ、蘭ちゃんお帰りー」
「ごめんなまえ、今日俺のクラス数学無かったんだ」
「えー!
こんなに期待させといてー?!」



そもそもお前が突然…!と蘭ちゃんも怒り出したので、はい、わたしはもちろん逃げました。あれれ、そうこうしている間にあと5分!



「誰か数学の教科書持ってなーいー?」
「おう、みょうじ!
相変わらず元気じゃのう!」
「兄ちゃん!
数学の教科書持ってない?!」



錦くんはなんとなく兄ちゃんって感じなのでわたしは勝手にそう呼んでます、はい。ちなみに水鳥ちゃんが姉ちゃんで、三国さんがお母さん、車田さんがお父さんです。今はなき南沢さん曰く、のりは弟だそうで。そうやってよく喧嘩してたなあ、そういえば。



「悪いのお、わしのクラスは今日ないんじゃき」
「もう!ことごとくわたしツいてない〜!」



じゃあ他探してくるとわたしは走り出したんだけど、錦兄ちゃんを振り返って気づく。



「兄ちゃん、次移動じゃないの?」
「ん?」
「さっき蘭ちゃんと神童くん、移動だって行っちゃったから」
「わ、わすれとったき!
そういえば3限が移動って誰かが言っとった気がするぜよ!」
「え?次って3限…?!」










勘違いブルース




(のりー!数学の教科書貸してー!)
(は?!
お前、今終わったんじゃねえのか?)
(勘違いだったの、次だったんだ〜)

(おいみょうじ!お前目の前に先生がいるってのに、随分堂々としてるじゃないか?)
(げ!鈴木っち、いたの…)
(こらみょうじー!)
((コイツいると騒がしいわ…))










以前書いた倉間の幼馴染とリンクしてます。
今回は夢主視点でおおくりました!
地味にこの子書きやすいので、ちょっと設定とかを考えてネタ帳にあげてたり…してます!

クラス分けとか錦のしゃべり方とかは信じないでね!
全然覚えてなかったからテキトーなんだ!(笑)

どうしよう、わたし倉ちゃん好きすぎる…!
気が付いたら倉ちゃん書いてる自分がいる…!


12_11_25




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