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  宇宙が君の色で在ること





「ふーすけ、入るよ。」
「…ノック、くらいしろ…」
「はいはい。ごめんなさいね」
「馬鹿にしてるのか、げほっ」
「馬鹿にしてる」
「貴様っ!!」
「どっかの誰かが雨の中走りまくって挙句の果てに風邪なんて引かなかったらあたしだって馬鹿になんかしない」
「うっ…」
「ったく、なにやってんだか。」

なまえは呆れ気味に溜息を吐くと、すでにぬるくなっている冷えぴ○を風介の額からベリッと勢いよく引き剥がした。

「痛っ」
「我慢。冷え○た変えるだけ。ほら、冷たくて気持ちいいだろ」
「…ん」
「アイス食べる?」
「食べる。」
「即答か。瞳子姉さんが買ってきてくれたんだよ。ハーゲンダ○ツ」
「伏字あまり意味ないぞ…」
「お黙りっ!!」

なまえは余計なことを呟いた風介を一喝し、コンビニ袋からハーゲン○ッツを取り出した。そして、はい。とスプーンを風介に渡したが取ろうとしない。というか口を開けて此方を見ていやがる。

「なんだよ、その口。」
「あーん」
「アホか。お前何歳だよ」
「絶賛厨二病中の13歳だ」
「なんか日本語可笑しいぞ」
「…熱のせいだ。」
「大丈夫お前いつもそんなんだから」
「そんな事よりほら、あーん」
「(流しやがった…)はいはい、ほら、あーん」

仕方なくアイスをスプーンで掬い、風介の口まで持っていくと、物凄く嬉しそうに食べた。ちょっと可愛かった。

「…うまい。」
「あとで姉さんにお礼言っとけよ」
「…ん。」
「まだ食べれる?」
「いや、寝る…」
「そっか。分かった」
「なまえ、お前なんかいつもより、優しくないか」

なんか気持ち悪いぞ…。とぼそりと呟いたのが聞こえたため、頭を叩いておいた。

「お前が病人だからだっつの」
「…、そうか…」

ぼんやりと何処か一点を見つめている風介に、こりゃほんとに重症だな。と改めて実感した。いつも自分の事をやいやいと言ってくる風介がいざ大人しいとなると、なんだかつまらない。そんなことを考えていたなまえの頭に、一つの案が浮かんだ。そういえば昔、これをしたら風介は元気になった気がする。よし。これを実行しよう。そうと決まれば即行動。

「ふう。」
「…なんだ」

ちゅ、

「………、!?」
「早く元気になれよ。あたしつまんないし」
「お、おま、なにを…!!」
「え?でこにキス。」

そう。なまえが考え付いたこととは、風介の額にキスをすること。昔風邪を引いた風介にそれをしたら、風介は少し元気になったので、今回もそれをしたのだった。

「な、なぜ口にしない!!?」
「そこかよ!!」

そこは口だろう!!などと言っている風介を見て、やっぱり元気になった。となまえは思った。え?なんで口にしないかって?そんなに決まってんじゃん。

「あたしにまで風邪うつったら困る。」
「…もっともだ」
「だろ?ほら、もう寝ろよ。」

なるべく優しく、風介の身体をベットに寝かせる。

「なまえが口にキスしたら寝る」
「もうお前黙れ。」

さりげなく口に、を強調しやがって。

「口にするのは、お前の風邪が治ってから、な?」
「…!!」

風介の唇を指でなぞり、優しく微笑んだなまえは、コンビニ袋をと冷えぴ○を持って部屋を出て行った。
風介は、なまえの出て行った扉を見つめ、熱で赤くなった顔をさらに赤くさせて固まっていた。





宇宙が君の色で在ること
(は、反則だ…)








ツンじゃない晴ちゃん´Д`。晴ちゃんはたまに風介の事を「ふう」と呼ぶ
でも可愛いから許す。あと勝手に二人13歳にしちゃった。だって年齢分かんないんだもん。
相互記念。七瀬様のみお持ち帰り可能です。今後もよろしくお願いします!

お題:alkalismさまより






いただきました!
おお、晴矢!かわいいです!!
七瀬は書いたことないなあ、そういえば…!
あんまりサイトのほうには無いですけど、カオス組好きなんですよね・・・!
言わなくても分かってくださるなんて、実は雨音さまってエスパー…?!

すみません、嬉しすぎて取り乱しました!
是非、これからも末永くよろしくお願いします!

七瀬 12_05_04



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