●●Rays of love●●●〜3


「…慎吾!!」

一瞬呆けてしまった後、大声で名前を呼ぶ。
慎吾はさほど気にする様子もなく、キスの相手と別れてこっちに向かってきた。

「よー、どうした? 監督何だって?」
「その話はどうでもいい! い、今のは何だ!?」

「はぁ? 何、別に初めて見たわけじゃねーだろ?」
「じゅ、準太はどうした!」

「準太ぁ? さぁなぁ。教室にでもいるんじゃ…」
「そういう意味じゃない!」

へらへらと笑いながら言う慎吾に、心底腹が立った。
ここまでムカついたのは、初めてかもしれない…目の前の慎吾を殴ってやりたいぐらいだ。

「お前、何をそんなに怒ってんの?」
「何って、慎吾の態度が…!」

興味なさげに、慎吾がスタスタと俺の横を通り過ぎる。
それを止めようと、追いかけて慎吾の肩に手をかけたが、ウザそうに振り払われてしまった。

「あのなー、和己。人の恋愛に首突っ込んじゃダメだぞー」
「これのどこが恋愛だ! こんなの…」

「人それぞれだろ。大体、準太が『これでいい』って言ってんだ」
「は? これで、って…?」

「だーから、『俺一人に絞らなくていい』ってさ」
「は…? 準太が、そう言ったのか…?」

…信じられない。
あの準太が、そんな軽薄なわけないだろう。

大方、慎吾がそう言わせたに違いない。
でなければ、準太がそんなこと言うわけない。

「準太に確かめてみれば? まだ時間あるしな」

次の授業まであと10分。
それだけあれば間に合う。


このままで いいはずがない。
準太のところへ行って、慎吾が今してたことを話すんだ。


慎吾を置いて準太のクラスへと走った。





* * *


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