●●Rays of love●●● 〜2
「…っつー事で。俺ら、付き合うことになったから」
「…は?」
部活終わりの部室で、慎吾が何でもないように言い放つ。
慎吾の隣には、準太が若干照れたような顔で寄り添っていた。
「一応報告な。よろしくーv」
「…?」
突然のことに、疑問符を浮かべてるのは俺だけじゃない。
本やんやタケたちも、目を丸くして驚いてる。
…いやいや、待ってくれ。
いつの間に そんなことになったんだって聞きたいのに、驚きすぎて声が出ない。
「じゃ、俺ら先に帰るわ。お先ー」
「お先します」
呆然としてる俺たちを置いて、さっさと二人並んで帰ってしまう。
シーン…と静まり返る中、最初に沈黙を破ったのはタケだった。
「…じゃ、俺もお先ッス」
その一言を口火に、他の部員も次々といなくなっていく。
部室でまだ動けずにいるのは、俺一人。
『俺が、準太を誘惑するわ』
つい二日前だ。
このセリフを聞いたのは。
たった二日で覆る程、
準太の俺への気持ちは軽いものだったのか?
そんなことを考える権利などないくせに、
やり場のない怒りにも似た絶望で、ふらりと眩暈がした。
* * *
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