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●●アンインストール●●● 〜7

「…え? いない?」

田島ん家に行き、呼び鈴鳴らして出てきたのは、田島の兄ちゃんだった。昼寝でもしてたのか、頭がボサボサで寝ぼけ眼であくびしている。
田島に会わせてほしいと伝えれば、まだ帰ってきてないという返事だった。

「そうだけど、お前ら今の時間は部活なんじゃねーのー?」
「あ、今日は中止になったんで、……それじゃ、失礼します!」

曖昧に返事をし、すぐ田島の家を後にした。
いつまでもここにいても仕方ない。早く田島に会いたい。

携帯を鳴らしてもメールしても、無意味だった。
気付いてないのか、…いや、無視してるんだろうな。
だったら、こっちから迎えに行けばいい。

まだそう遠くへは行っていないはずだ。
近くにいるはず。でも、行きそうなところが見当もつかない。
泉や三橋なら、もしかしたら知ってるかもしれないけど…、俺が見つけたい。

荷物になる鞄を自分家のマンション前に放り投げ、チャリに乗ってあらゆる場所を駆け回った。 公園、ゲーセン、コンビニ…もしかしたらまだ校舎にいるかもしれない、とまた学校に戻ったり。

でも、どこに行っても田島を、…見つけられなかった。


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