●●Codependence●●●〜2


水谷と喧嘩した、翌日。
すぐ謝る気にはなれなくて、朝練でも水谷を避けるように距離を置いてしまった。

しゅんと項垂れてる水谷を横目で見て、心がチクチクと傷んだけど…なぜか素直になれない。
他人には気を遣うのに、何で水谷には頑固になっちゃうのかなぁ…

はぁ、とひとつため息をつきながらトイレで手を洗ってると、後ろで「あっ」と声が聞こえた。
鏡越しに後ろを見ると、沖が心配そうに立っていて。

「水谷と喧嘩したんだって?」
「…いいの。水谷なんて知らない」

「でも…」
「…ていうか、それ誰から聞いたの?」

「そりゃ、見てて分かるよ。それに、相沢って人に聞いた。たまたま廊下で会って」
「へぇ、相沢に?」

「巣山との事聞かれて、冷かされたんだ…」
「ははは! 相沢は人見知りしないからな〜」

わざわざ沖の所まで行って冷かすなんて…次はきっと、このネタで巣山を冷やかしに行くんだろうな。
照れて不機嫌になる巣山を想像して、ちょっと笑う。

「相沢は転校繰り返してるみたいだから、自然とそうなるのかもね」
「あー、なるほど! …で、それはそれとして」

「ん?」
「仲直り、した方がいいよ。出来れば早めに…」

「…考えとく」

そんな事は、俺も分かってるんだけど…
一言「言い過ぎてゴメン」と言えば、きっと水谷は許してくれる。
でも、今このタイミングで仲直りは出来ないなと思ってるだけなんだ。

打算で動いてる自分に嫌気がさすけど、それも仕方ないと言い聞かせる。
相沢がいなくなる明後日までは…このままの方が、お互いの為なんだって。




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