●●君との距離●●●〜4


「織田!!」
「…!」

やっと、野球部の部室前に、織田が一人立っていたのを見つけた。
全力疾走で探していた為、呼吸が整うのに時間がかかる。

織田は俺が突然現れた事に、ひどく驚いている様子だった。
息を整えている俺を呆然として見ていたが、我に返ったように目を逸らされ、立ち去る為か踵を返した。

「織田、待てって…!」
「何やねん。もう叶と話すことなんかないわ」

背中越しに、冷たく拒絶される。
でも、そんなことにショック受けてる場合じゃない…!

「俺はあるんだよ!」
「俺はないねん!」

「あー、もう! 面倒くせーな!」

去ろうとする織田の背中に目がけて、体当たりでもするかのように 後ろから抱きついた。

「…! …え? か、叶…?」
「はぁ、はぁ、はぁ…」

抱きつきながら、深呼吸をする。
荒い呼吸は、もう全力疾走のせいだけじゃない。

背中越しでも、織田がドキドキしてんのが分かる。
俺たちのドキドキが、合わさってく。


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