何か…おかしい。
織田、お前何考えてんだ?
●●君との距離●●●
「しゅ、しゅーちゃん! ど、どーしたの?」
久々に電話越しに聞く三橋の声は、中学の時に比べて断然明るくなっていた。
西浦での生活は、三橋にとって凄く充実しているらしい。
部活の連中もそうだけど、きっと…阿部の存在が大きいんだろう。
「おー、ちょっとな…」
「…しゅー、ちゃん…?」
俺の力ない声のトーンに、三橋は心配そうな声を出した。
大したことないって言いたいけど…今の俺は、本当に弱っていた。
弱ってるっていうか、困ってるっていうか…。
「なぁ。阿部とはうまくいってんの?」
「…えぇ!? な、何で…!」
「いーから。教えろよ」
「ぇ、ええと…」
しどろもどろになりながらも、阿部との関係は順調だと教えてくれた。
だろうな。予想はしてた。
三橋は素直だし可愛いし、ピッチャーとしても最高だし。
阿部は目つき悪いし愛想ないし、何かにつけて嫌な奴だけど。
三橋を大事にしてるのは、こっちがバカらしくなる位に伝わってくる。
お互いがお互いを好きで、必要で。
そんな関係が、すごく…うらやましい
[*prev] [next#]
1/8
【目次・SR・TOP】