何か…おかしい。

織田、お前何考えてんだ?


●●君との距離●●●


「しゅ、しゅーちゃん! ど、どーしたの?」

久々に電話越しに聞く三橋の声は、中学の時に比べて断然明るくなっていた。
西浦での生活は、三橋にとって凄く充実しているらしい。
部活の連中もそうだけど、きっと…阿部の存在が大きいんだろう。

「おー、ちょっとな…」
「…しゅー、ちゃん…?」

俺の力ない声のトーンに、三橋は心配そうな声を出した。
大したことないって言いたいけど…今の俺は、本当に弱っていた。
弱ってるっていうか、困ってるっていうか…。

「なぁ。阿部とはうまくいってんの?」
「…えぇ!? な、何で…!」

「いーから。教えろよ」
「ぇ、ええと…」

しどろもどろになりながらも、阿部との関係は順調だと教えてくれた。
だろうな。予想はしてた。
三橋は素直だし可愛いし、ピッチャーとしても最高だし。

阿部は目つき悪いし愛想ないし、何かにつけて嫌な奴だけど。
三橋を大事にしてるのは、こっちがバカらしくなる位に伝わってくる。

お互いがお互いを好きで、必要で。

そんな関係が、すごく…うらやましい


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