「ねぇ、和さん…」
「ん?」

「お付き合いするにあたって、お願いがあるんですけど」
「何だ?」

「ひとつはー、浮気しないこと!」
「…ああ、もちろん」

「もうひとつはー…」
「ん?」

へへっと照れながら笑い、首元に顔を埋めてくる。
近くなった距離に、ドキンと心臓が跳ね上がった。

「これから毎日、キスして下さいv」
「…ええっ!?」

囁くように言われて、かああっと血が上る。
どぎまぎする俺とは反対に、綺麗に笑っていた。

「返事はー?v」
「……ああ、わ、分かった」

俺の返事に気を良くしたのか、キャッキャと楽しそうに笑ってる。
そういえば、準太は昔から甘え上手だったな…。

「大好きですよ、和さんv」
「…ああ、俺も好きだよ」

「へへv …じゃあ〜、今日からですよ?」
「今日から?」

「キスですー! はい、どうぞv」
「ど、どうぞって…!」

ちょっと待ってくれ、心の準備が…!
んー、と目を瞑る準太にドキドキしながら顔を近づければ、睫毛が長いことに気が付いて胸が躍る。

こんな些細な発見も嬉しいと思ってしまうなんて…俺は、どれだけこいつに惚れてるんだろうか。

「まだですかー?v」
「はいはい…」

まさか、ファースト・キスが、慎吾の部屋なんてな。
そう心で笑いながら、愛しい気持ちを準太の唇へ、そっとのせる。

ラブラブ光線ではなく、
直接触れて、何度も確かめ合った。




**HAPPY END**


[*prev] [next#]
6/10

目次SRTOP






「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -