「…利央、それ誰から聞いたんだ?」
「えー? 聞いたっていうか、見たっていうか…」

「見た? 見たって、何を?」
「んー、二人? お互いに 好き好き光線出してるじゃないスか〜」

す、好き好き光線…?

「ダーッハッハッハ! おま、いつからそんなビーム出せるようになったんだよ…!」
「慎吾さん、落ち着いて…」

腹を抱えて笑う慎吾を、迅君も笑いながら宥める。
それを横目で見ながら、俺はサーッと血の気が引いていた。

利央には悪いが、利央にまでバレるようじゃ、俺たちの気持ちは 他の部員もとっくに知ってるってことじゃないか…?

「違うんスかー?」
「あー、笑った笑った… 違うんだよ、こいつら付き合ってねーんだよ。光線バシバシ出してるくせにな」

「えー、俺はてっきり…」
「和己はな、臆病なんだよ。だから、恋なんて無理なんだって」

「こら慎吾。臆病って何だよ?」
「まんまだろ。迅君は、恋に臆病になっちゃダメだよ?」

「あ、はい。分かりました」
「ちょっと慎吾さん。迅に話しかけないで下さい」

「お前はどこまで俺をのけ者にする気なの?」
「ずーーっとに決まってるじゃないですか!」

慎吾と利央がまた口喧嘩を始める横で、俺は頭を抱えていた。
ヤバイな、これからはもっと気を引き締めていかないと…。
もっとも、すでにバレてしまっていて…無意味なのかもしれないが。

せめて準太にだけでも、気が付かれないようにしないと。


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