「迅、この人はね、いやらしい人だから気をつけなよ?」
「うん、分かった」
「分かっちゃったのかよ!」
「ははは。まぁまぁ」
その流れで、4人で談笑しながら帰途につく。
話を聞けば、迅君も数学が苦手のようで…できたら、今度利央と一緒に教えてほしいというものだった。
じゃあ今度は3人で勉強しようか、と話をしていた時に、ふとコンビニの前を通りかかる。
何気なく見たその奥には、準太とタケがいた。
何を喋ってるのかまではもちろん聞こえないが、思わず探りを入れてしまいそうになる。そんな自分に、苦笑した。
「…なぁ、利央。知ってるか?」
「何ですか、いやら慎吾さん」
「それを推すな。じゃなくて、和己の好きな人だよ」
「…はぁ? 慎吾、何言ってるんだ」
利央と準太だって仲がいいんだ。
余計なこと言われたら困ると、先に牽制する。
が、返って来たのは全然違う答えだった。
「え? 準さんと付き合ってるんでしょ?」
「……は?」
「ダッハッハ! おい、犬にもバレてんじゃねーか!」
「ちょ、犬って誰のこと!?」
慎吾が笑い、利央が怒ってる。
いやいや、そんなことはどうでもいい。
いつから、俺と準太が付き合ってるっていうんだ…?
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