「へこんでる時に、ゲーセン行くかな…?」
「…え?」

「もっと、落ち着くような、静かなトコに行きたがるんじゃないかな…」
「落ち着く、静かなとこ…?」

「うん。優しい場所、慰めてくれるような…」
「そ、それってドコだよ!?」

俺の剣幕に沖がビクっとした。
それにたじろぎながらも、「うーん…」と考えてくれる。

「思い出の場所、とか…?」
「思い出?」

「思い出って、優しいじゃん。それに縋りたくなる時も、あるんじゃないかなー、って…」
「思い出の場所…」

「田島と過ごした、思い出の場所とか、ないの?」
「俺との、思い出の…」

その一言で、急に頭がクリアになった気がした。

思い出の場所。もしかしたら、あそこかもしれない!
確証はないはずなのに、絶対そこにいるはずだと確信した。

「あったみたいだね、その顔」
「ワリー、俺行くわ!」

「田島によろしくねー」

ひらひらと手を振る沖を置いて、俺はまたチャリに跨った。
そして、目指した場所。

そこは。


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