「くっそ…!」

もう夕暮れだ。じき暗くなる。
もしかしたら田島と入れ違いで、田島はもう帰宅してんのかもしれない。

そう思ったけど、でも違うような気もしていた。
根拠は無いけど…なんとなく。

もう一度、見て回ったところを訪れる。
さすがに疲れて汗も凄いけど、形振りかまってらんねぇし。

近くのコンビニにまた行ったところで、偶然、沖を見つけた。向こうも俺に気が付いたみたいで、驚いた顔をしている。

「花井! まだ帰ってなかったの?」

俺がまだ制服だからだろう。
その問いかけには答えず、田島を見ていないか聞いても、答えはNOだった。

「そうか…。ワリ、じゃあ俺行くわ」
「お、俺も一緒に探そうか?」

「いや、俺が見つけたいから…っても、全然見つけられないんだけどさ…。とりあえず、今からまたゲーセンの方行こうかと思って」
「ゲーセン…」

沖がふと考え込むように下を向いた。
もしかして、心当たりでもあるのか?


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