「でも、もし。花井が、本気で田島を諦めるなら」
「……なら?」

「遠慮なく、俺がもらう」
「え…?」

驚き見ると、巣山が照れたように笑った。
それに、胸がズキンと痛む。

「俺、実はずっと田島が好きだったんだ」
「マジかよ…?」

「マジ。でも、田島が花井を好きなのは知ってたから、俺は一生好きだって言うつもりはなかった。おかしいよな、一生だなんて。いつか花井と別れるかもしれないって考えは、なかったんだ」

淡々と言う台詞の数々に、頭がついていかない。
巣山が、田島を好き…?
そんな素振り、今まで一度も見たことなかったのに。

「でも、花井は田島を泣かせてるみたいだし。そんな奴に、田島を任せておけない。当たり前だろ?」

さっきまでの和やかな空気は無く、一気に真剣なものになる。
答えにつまっていると、巣山が俺の両肩をガシっと掴んできた。強く、俺の目を見つめてくる。


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