「……付き合ってく意味ねーって言われたんだよ」
「……、…」
「…もう、しょうがねーんだよ。三橋がどうこう言うコトじゃねーだろ? 分かったら、お前ももう帰れ」
無言になった三橋を置いて、今度こそ逃げようと…思ったのに。
振りほどいた腕を、また掴まれてしまう。
「……あのなぁ、」
「お、俺は、どうこう、い、言わない から」
「は?」
「俺は、言わない。けど、はない君は、言わない の…?」
「……?」
「はない君は、たじま君に、い、言われて、何も 言わないの?」
ほとんど涙声だ。
それに、俺までつられて泣きそうになってしまうのは…なぜだ?
「しょうがない、って、それで 終わり なの…?」
「………」
「そ、そんな、簡単に、なかったこと、できる…?」
「………」
泣きながら、必死に訴えてくる三橋の言葉。
『簡単に、好きだった感情をなかったことにできるのか?』
これは、俺が最初に田島に対して思ったこと。
俺はまだ、田島への気持ちをアンインストールできてない。
田島は?
田島も、もしかしたら…?
[*prev] [next#]
3/10
【目次・SR・TOP】