部室に全員が入り、着替えながら雑談する。
すると、西広が「あれ?」と大きめに声を出した。

「ねぇ、田島は?」

その問いかけに、部室内の空気が止まった錯覚を感じた。
栄口、泉、浜田が言葉に詰まり、花井は明らかに動揺してる。
花井は分かるとして、他の奴らは何だ?

「うーす」

挨拶と共に巣山が入ってくる。それで、ようやく停滞してた空気が動き出した気がした。花井は一人、まだ止まってるけど。

「巣山、どこ行ってたの?」
「あー、ちょっとな」

「田島見なかった? まだ来てないんだよね」
「ああ、あいつなら早退。具合悪いんだってさ」

「ふーん。珍しいな」
「そうだな」

巣山の答えに、泉と花井の顔つきがまた険しくなる。
浜田は泉の耳元で、コソコソ何か言っていた。まるで、宥めているかのように。

「だ、大丈夫、かな、たじまくん…」
「ん? あー、大丈夫だろ、たぶん」

三橋が心配そうに呟く。それに適当に答るけど、どこかスッキリしない表情をしていた。
それは三橋だけじゃなく、泉や栄口たちも。


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