Izumi >>> Hamada SIDE:
* * *
「お! いずみー、サボリかー?」
「あ、ああ……」
コーヒー牛乳を買おうと自販機に行くと、泉が向こうから歩いてきたのが見えた。
サボリなんて珍しいな、と思って茶化すも、曖昧に返事される。
目元が少し赤くなってるような感じがするのは、気のせいか…?
「浜田、ちょっと」
「え?」
手をひかれ、すぐそこにあった社会科資料室に連れられた。
先生がいるんじゃねーかと思ったけど、誰もいない。それに少しホッとした。
「どうしたー?」
「はまだ……、」
「…ん?」
「……」
背中越しでは、泉の表情を読み取れないけど…儚げな雰囲気から、落ち込んでるのは感じ取れた。
微かに揺れる泉の肩を抱きしめようとしたところで、振り向かれる。
そんで胸におでこを当て、右手を繋がれた。
滅多にない泉の甘えるような行動に少し驚いたけど、表情はずっと辛そうで。
「こーゆーことできんの、もしかして奇跡なのかもな……」
ぎゅって繋いだ手。
少し震えているそれを、意味は分かんないけど、俺も握り返した。
それに、泉がまた擦り寄ってきて。
最近の泉が少し変な気がするのと、関係あるのかな。
田島とたまにコソコソしてんのは知ってたけど。
花井にでも聞いてみるかな。
あ、でも喧嘩してるっぽいしな…。
水谷にでも、少し探り入れてみるか。
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