「…ていうかさ、何でいちいち水谷に許可取んないといけないの? 俺が誰と遊ぼうが、別にいいじゃん!」
「何で!? だって、俺たち付き合ってるんでしょ!?」
「だからって、何でもかんでも干渉しないでって言ってんの! 俺にだって、俺の付き合いがあるんだから!」
「それはそうだけど、だって次は俺と遊ぶって言ったじゃん!」
小さくはない声に、周囲の人間がチラチラ見てるのが分かる。
それでも、そんなの気にしてる余裕がなく、自分でも頭に血が上ってるのが分かった。
何で、今日に限ってこんなに苛立ってしまうんだろう。
今までこういう事があった時には、謝るか宥めるかで分かってもらえたのに。
怒りにまかせて言葉にするなんて…と、自分に戸惑ってしまうけど、どうにも止まらない。
今までの水谷の束縛への抑えていた感情が、一気に爆発したみたいだ。
「だから、次で最後だって! ちょっとカラオケ行ってくるだけだから!」
「カラオケなんて、密室じゃん! 相沢と何かあったらどうするの!?」
「どうするって、何もあるわけないだろ!」
「分かんないじゃん! 相沢が実は栄口を好きだとか、もしかしたらって事もあるでしょ!? 栄口、自分の事気にしなさすぎ!」
「はぁ!? 俺の事は、俺が1番分かってるよ! そうじゃなくて、水谷は俺の事が信用出来ないんだろ!」
「信用とかの問題じゃないって! 俺はただ、栄口の事が心配で」
「あーもう、うるっさい! もうこれ以上、水谷と話したくない!」
息巻いて叫んだ俺のセリフに、水谷は驚きながらガーンとショックを受けてるみたいだった。
それでも、一度点火した怒りの炎は、そう易々とは鎮火はしてくれなくて。
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