「泉も、ごめんなー。俺が相談しなけりゃ、こんなこと……」

「…だーもう! 俺はいいんだよ! 俺はいいけど、田島はどうなんだよ! まだ花井のこと好きなんじゃねーのかよ!!」

怒鳴りながら、俺も涙がじわっと溢れてしまう。
田島の流さない涙が、俺の目から代わりに流れているみたいだ。

「…はは、優しいなー」

呟きながら視線を逸らし、鼻をすすって。
体の震えが少しでも収まればいいと抱きしめれば、堰を切ったように声をあげて泣き出した。

その姿に、いつもの元気で凛とした表情は皆無で。


こんなに想ってるのに。
何で、諦めなきゃいけないんだよ。



花井。

今こうしなきゃいけないのは、テメーなんじゃねーのか…?






***


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