「一週間たつかなー、そろそろ」
何でもないように言うから、冗談で言ってんのか本気で言ってんのか分かんなかったけど。
揺らめいた田島の視線に、これは本気なんだと気が付いたら…体中の血の気がサーッと引いていくのが分かった。
「はぁぁああ!? な、何言ってんだよ!」
「泉、声でけーって」
「花井から言われたのか!?」
「…いや、俺から」
「何で!?」
「片思いじゃ、付き合ってるって言わねーの!」
また揺れ動く瞳。
その仕草に、俺はもう居ても立ってもいられなくなった。
「……花井んとこ行ってくる」
「だ、ダメだっ!」
「何でだよ!?」
「ダメだから!」
ガシッと腕を掴まれ、縋るように見つめてくる。
俺達の言い争いに、さっきまで気怠い空気だった教室がざわめき出した。
クラスメイト達に訝しげに見られて、俺はそのまま田島を掴み返し、場所を変えるべく教室を出た。
* * *
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