「…いいけど」
「え…?」

「だ、だから、いいって言ってんの! 何度も言わせるんじゃ…!」

俺の抗議が言い終わる前に…織田の唇が、俺のに重なった。
一瞬だけの行為なのに、一気に全身が火照る。

見た目と違って、柔らかいなぁ…なんてボンヤリ思ってると、織田も俺に同じこと言ってきた。

「めっちゃ、やらかいねんな、自分…」
「お、織田こそ…」

「そうか? じゃ、もっぺん…」
「ん…」

再度、織田の顔が近づいてくる。
俺も今度は目を閉じてそれを待っていた。

あと5mmでくっつく、って所で、ガサガサガサっと大きな音がした。

「え?」
「…な! お、おまえら!」

黒い影が、四人。
見慣れた顔のそれは…畠と柊と宮川、吉だった。

「うわあ見つかった!」
「お前ら、何してんだよ!?」

「ち、違うって! 二人が心配でさ、ちょっと様子を見にきたらさ、…ねぇ!?」

「そ、そうなんだよ! 別に覗き見したくてしたわけじゃなくて…なぁ!?」

「そうそう! キスしてるとは思わなくて…なぁ!?」

「ああーん!?」
「ヒィィィイイ!!」

俺が目で殺す勢いでそいつらを睨み付けると、ガタガタと震えて怖がっていた。

ったく、恥ずかしい!
まさか、こんなとこ見られるなんて…!


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