「織田…」
「…な、何…」
「織田、……ごめん」
「え…」
「俺、いっぱいウソついた。女子のがいい、とか、すぐに飽きるとか、も、もうやめたい、とか…」
「……」
織田は、黙って俺の言葉を聞いてくれてる。
緊張してうまく喋れずに、時折どもってしまうけど…でも、最後まで言わないと…!
「悔しかったんだ、たぶん。俺ばっかり織田のこと…って、思ってたから…」
「叶…」
織田は、おなかの前に結んで離さない俺の両手に、手を重ねてきた。
ただそれだけのことにすらドキドキして、また全身が熱くなる。
「でも、違う…って思った。そんなの関係ない!」
「……」
「どっちがどれだけ強い想いとか、どうでもいいんだ。俺は、織田と離れたくない!」
「……!」
言いながら、じわっと涙が溢れてくる。
俺の気持ち、ちゃんと伝わってるだろうか。
「織田がいなくなるなんて、イヤだ。俺、織田と…っ!」
グイっと左手を引っ張られ、あっという間に織田の腕の中に納まってしまった。
織田のデカイ身長のせいで、ちょうど心臓の辺りに俺の頭がぶつかる。
力強く抱きしめられているせいか、織田の鼓動がダイレクトに伝わってきた。
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