「何だよ、叶。織田の本でも借りにきたのか? それならここにあるぜ」
柊が違う紙袋から、3冊の本を出して手渡してきた。
受け取ると、2冊はさっき言ってた参考書と…もう1冊は。
「これ……」
「あぁ、俺もそれ見た時にビックリしたね!」
「織田、好きな子いるんだなぁ〜、ってな!」
『好きな相手と100年愛し合う方法』
キラキラの文字でデカデカと書かれてるソレを見て、俺も ふっと笑ってしまった。
織田のバカ野郎。
こんなん読んでる暇があるなら、俺と…!
「確かに、織田に相談されたもんな。その"好きな子"について」
「は!? なんて!?」
「だ、だから、『初デートって、どこがええんやろ…』って…」
「『お前らならどこ連れてく?』みたいな」
「織田も緊張してたんじゃねーの? ははは!」
「らしくねーよなー!」
何だよソレ。
何なんだよ…!
自分の不甲斐なさに、怒りが込み上げてきた。
織田は俺のこと、やっぱり真剣だったんだ。
それなのに、織田の自分への好意さえ疑って、傷つけてしまうなんて。
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