意を決して立ち上がると、ドアがいきなりバタンと開いた。
ノックもせずに上がりこんできたのは、監督だった。

「おい、叶!」
「か、監督! どうしたんスか?」

「織田が野球辞めるって、退部届け出してきた…!」
「えっ!?」

もうそこまで話しが進んでのかよ…!
どうしよう…!

「叶、織田と話してくれねぇか?」
「えっ…」

「お前達、仲いいだろ? 部に留まるように言ってくれ。あいつは有望なんだ、叶だって分かってるだろう?」

頼む!と言ったきり、監督は慌しくまたいなくなった。

「織田…!」

俺は携帯を引っつかみ、織田に電話をかける。

が、何度コールしても出ない。
きっと無視してんだろう。

そっちがその気なら…!


俺は勢いよくドアを開け、織田の部屋へと向かった。


* * *


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