・ ・ ・


織田の部屋では、織田が勉強机で勉強をし、俺と畠がテーブルで向かい合わせに座っていた。

シャーペンがノートを走る音だけが響く部屋。
たまに分からないとこを聞いたり、聞かれたりするだけだ。

色気も何もないこの時間、俺は全然集中できない。
得意なはずの数学の問題集が、全然進まない。
…こんなん覚えて、将来役に立つんだろうか。

「…なぁ、ちょっと休憩せぇへん?」
「んー、そうだな。肩がガッチガチだ」

「あ、あぁ…、うん」
「俺、何かジュースでも買うてくるわ。二人ともコーラでええか?」

「おう、わりぃなー」
「あ、うん…」

そう言って、俺たちに背を向けて財布を持って出てってしまった。
畠は肩を揉んで 長いため息をついている。

俺は全然疲れてなかったから、適当に織田の部屋に視線を移した。
そして、ふと目に入った、紙袋。

ベットの下に、無造作に置かれているモノ。
畠もそれに気が付いたのか、「おっ」と小さく声を出した。

「これ、もしかして…」
「なんだよ?」

畠は遠慮なくガサっと袋の中身を出した。
すると、そこに入ってたのは。



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