* * *
試験勉強に没頭する日が、三日続いた。
今日も、織田には何も言われなかったし…また勉強でもするか、と昼休みにぼんやり考えていると。
「かのー」
「ん? …あ」
呼ばれて振り向くと、そこには織田が立っていた。
ちょっと緊張して体が強張る。
告白されてからどう接していいのか分からず、さりげなく避けていたこともあって…こうやって目を見て話すのは、久しぶりだ。
「ちょっと、試験範囲のことで相談あんねんけど」
「…相談?」
なんだ、デートの誘いじゃないのか。
…って、俺は何を残念がってんだ…!
「放課後に、俺の部屋で畠と3人で試験対策でもせぇへん?」
「畠も?」
「おい、ここにいるだろーが」
「…あ」
織田の後ろに畠がいるのに、気が付かなかった。
…織田がデカ過ぎんだ。織田が悪い。
「別にいいけど…」
「ほな、放課後にな」
別にいいけど、何で畠も一緒なんだ?
俺と二人きりには…なりたくないのか?
織田の考えてることが、サッパリ分からない。
織田が、遠い。
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