「あの、しゅーちゃんは…?」
「え?」

「あの、織田くんと、付き合ってるんで、しょ?」
「あ、あぁ、まぁ…」

一応。…一応、は。
でも、全然分からない。
織田に告白されて、訳も分からない内に付き合うことになって。

「嫌いか?」って聞かれて、「嫌いじゃない」って言っただけだ。
スキだとも言われたし、付き合おうとも言われたし。

頭が真っ白だった俺は、とりあえず「別にいいけど」としか答えられなくて。
その後に嬉しそうに織田が抱きしめてくるのに、俺が真っ赤になっただけで。

それ以降は、何もない。
いつも通りの態度、メール、部活。

「織田くんは、優しい?」
「え? えーと… まぁ、そーなんじゃない? 阿部は?」

「えと、阿部くんは、優しい、よ…!」
「ふーん…」

阿部の話になると途端に照れた声音になるのが、素直に可愛いと思う。
それに比べて、俺は…

「なぁ、阿部とどんなコイビトっぽいことしてる?」
「ちょ、え! だ、え、えええぇ!?」

「いーじゃん、教えろって」
「しゅ、しゅーちゃんが 言う なら、おれも、言う…」

何もしてない。本当に、一切、何も。
付き合いだしてから まだ二週間だから、三橋たちとは違うとは思うけど…


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