* * *
――後始末された後、今は栄口さんのダブルベッドの上。
まだ快感の余韻が残ってる僕の横で、心底嬉しそうに抱きしめてくれる。
いきなりの展開に怒ってもいいんだろうけど…まるで子供みたいな笑顔を見てしまえば、そんな気持ちもふわっと消えてしまう。
まさか、そこまで計算してないよね?
「…ゆうとがね、弟が欲しいって言ってるんですよ」
「はい、聞きましたよ…もう、ビックリしました」
「あんまり年を離れさせたくないので、早めに子作りしましょうねv」
「な!」
…もう、どこまで僕を驚かせたら気が済むんだ、この人は…。
でも、この暖かい感じはクセになってしまいそう。それに併せてさっきの疲労感もあって、少しだけ眠くなってきた。
「眠いですか?」
「…ん、ちょっと…」
「ん…、おやすみなさいv」
「…はい、おやすみなさい」
ちゅっと またキスされて、そのまま ずるずると夢の世界へ引きずられる。
うとうとしながら思うのは、いつか本当に『家族』になれたら…って事。
幸せが一気に来たみたいで怖いな、と考えながら、大好きな人の腕の中で、すとんと眠りに落ちてしまった。
**END**
[*prev] [next#]
10/11
【目次に戻る・TOPに戻る】