* * *



お姉ちゃんの音読を聞いて、ゆうと君を寝かしつけた9時半過ぎ。
栄口さんと一緒に、リビングで一息ついていた。

一人暮らしは大学からだったから、今年で5年目になるけど…やっぱり、こういう賑やかな感じは凄く楽しい時間だなぁって思う。

みんなと一喜一憂して過ごしてる時は、楽しいけどあっという間で…何だろ、お祭りが終わったみたいに寂しくなっちゃうな。

「先生、もうバスの時間ありませんよね?」
「ええ、でも今日はタクシーで帰ろうかと思ってましたよ?」

「え、そうなんですか?」
「何度も同じ手には引っかかりませんからv」

紅茶を飲みながら笑えば、困ったように笑いながら前髪を触ってる。
この仕草、困った時のクセなのかな…?

「タクシーなんて高いじゃないですか。一緒に寝ようなんて言いませんよ?」
「あはは。いえ、本当に今日は楽しかったので…」

名残惜しいけど…立ち上がってティーカップを流し台に置く。
すると、また後ろからぎゅって抱きつかれてしまった。

「ちょっと、何…!」

慌てて離れようとしても、力の差は歴然でビクともしない。
いきなり抱きついてくるのは、心臓に悪いからやめて欲しいって言ってるのに…!


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