梶山「俺もスけど、百枝先生も、梅原や園長にまで、ゆうとは聞いて回ってるらしいスよ。四葉のクローバーのこと」

西広「クローバー…?」

梶山「クローバーの願いは、いつになったら叶うのかって。何でンなこと聞いてくんのか分かんなかったけど、文貴から聞いてようやく分かりました」

西広「あ……」

梶山「文貴から もらったって。お母さんが出来ますようにって願いを込めた、クローバーが」

西広「そうだ、あの時…」

梶山「直接先生に聞かないのが、これまた涙を誘いますよねぇ。先生に『お母さんになって!』って頼んで、先生が困るのを 心のどこかで察してたんじゃないスか?」

西広「………」

梶山「ま、実際そこまで考えてるかは分からないスけど…子供は敏感でしょ。考えてなくても、感じたのかもしれない。ハッキリ拒絶されるのが怖い、ってね」

西広「僕は…なんて事を…」

梶山「先生が今するべきなのは、答えを出すことじゃないスか? これからどうするのか、どうしたいのか。期待させるだけさせて、本当は何も考えてませんなんて、子供騙しにもなりませんよ」

西広「っ…!」

梶山「…すいません、厳しいこと言って。でも、俺も…西広先生や、あの家族が幸せになるの、願ってますから」

西広「…す、すいませ…っ」

梶山「いえ…。それじゃ、俺はこれで」

西広「…はい、ありがとう…ございました…」



: : : :


+1階+

百枝「…先生、どうだった?」

梶山「いや、相当キてるッスね。追い討ちかけた俺も俺ッスけど」

百枝「そう? コレくらいでへこたれるようじゃ、どっちみち親には向いてないわね」

梶山「…先生も言いますね」

百枝「それだけ、親になるってのは責任があるってことよ。…答え、出せるかしらね」

梶山「なれないなら なれないっていう答えも、充分優しさだと思うんスけどね」

百枝「意外と優しいのね、梶山先生v」

梶山「何言ってんスか。俺はいつでも優しいスよ」

百枝「あら、失礼しましたv」



***


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