栄口が
可愛いのが悪いんだもん。
俺は何も悪くないはずなのに!
●●ポップ・キャンディ●●●
「栄口ぃ〜、来たよ〜!」
「はーい」
4時間目が終わってすぐ、机にノートとか出しっぱなしですぐに1組へ向かう。
片付ける時間すら惜しくて、お弁当と携帯だけ持って走るのは、もう日課になっちゃってるんだ。
「ねぇねぇ、音楽室行こう?」
「うん、いいよー」
前に花井から聞いたんだ、音楽室も穴場なんだってこと!
個室のピアノ練習室を目指しながら、音楽室の扉を開ける。吹奏楽部の誰かがいるかなーって思ったけど、誰もいないみたいだ。
「一番乗りかな?」
「今日は練習ないのかもね?」
奥のピアノ室に入って窓を開けて、アップライトピアノの蓋にお弁当を置いて、長椅子に二人で座るんだ。
この、ぴったり寄り添うような、ちょっと近いぐらいの距離っていいよね!
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