なんていうか、そのー…
無事に終わって良かったよな!
●●涙と欲の螺旋●●●
来週シよう、って言ったのは俺。
そんなのは分かってるのに、いざ目の前にすると緊張でどうにかなってしまいそうだ。
っても、それは俺だけじゃない。
俺の緊張が空気感染したのか、浜田もずっと落ち着きがなかった。
俺は分かるけど、お前も緊張すんなっての。
経験あるくせに…しかも、お前が上になるんだからさ。
「…あー、その。コホン。泉?」
「…なに?」
「本当に、その〜…」
「いいっつってんだろ。男に二言はねぇ」
こうでも言い切らないと、すぐにでも逃げ出してしまいそうだ。
自分を追い込みながら、隣に座ってる浜田を見上げてみる。
ちょっとだけ震えてる俺の手に、浜田の手が重なって…心臓が飛び出るかと思うぐらいドキッとした。
「…風呂、入る?」
「…あ、そっか。んじゃ入ってくる」
それもそうか。まずは風呂か。
てっきりそのまま押し倒されんのかと思ってたけど…もしかしてコイツちょっと余裕ぶっこいてんのかも。
すくっと立ち上がり、浜田の顔も見ずにそそくさと脱衣所へと逃げ込む。
鏡に映ってる俺は、耳まで真っ赤だった。
***
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