浜田の勘違いっぷりに、

一応感謝しておこう。



●●恋の病●●●

ラブ期。
――相手のことが好きすぎて、周りが見えていないこと。
もしくは、見えないぐらいに好きだと強く感じてしまう期間のこと。


そんなの、自分には絶対来ないと思ってたのに。
認めたくないけど、今の俺はそれ真っ只中らしい。

「泉〜、学食行こうぜ〜」
「あ、ああ…」

こんなん別に大した事じゃないだろうが。
それなのに、今の俺には浜田が花しょってキラキラしてるように見えてしまう。

並んで歩く浜田の腕に縋りつきたい。
いっそ首にしがみついてごろごろしたい…!
思う存分にゃんにゃんしたい…!!←

「どした〜?」
「あ、いや…」

上の空の俺の顔を覗き込んできやがる。
やめろって、今顔近づけられたら…ドキドキするので大変になっちまう。

なんとか昼飯を終えて、浜田は用事があると2年の階へと去って行った。
その背中にさえ思わずぽーっとなってしまうのを防ぎ、教室へ帰る。
すると、そこには田島や三橋の他に、栄口と沖がいた。

「ラブラブランチはどうでしたか〜?v」
「うっせー」

冷やかす栄口を制して、机に突っ伏す。
はー、やべぇ。ニヤニヤしてんじゃねぇのか、俺…。

「どしたの?」
「…んやー、何でもねぇ」

栄口が心配そうに頭をちょんちょんしてきた。
いや、別に病気とかじゃないんだけど…あ、恋の病?

ハハハ、俺が? 浜田に?
あ、ありえねぇ…。


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