甘え下手でも、
素直じゃなくても。
いつも通りの君で、
充分幸せです。
●●素顔の君が●●●
甘い睦言を交わし、求め合ったのは昨夜まで。
今朝目覚めた途端に往復ビンタを食らい両頬が真っ赤になった挙句にベッドから蹴落とされたってのは、予想通りというか、予想以上というか。
いつもより…まぁ、しつこかったとは思うけど。
「いーずみぃ…怒ってんの?」
「るさい。話しかけるな」
布団に潜ったまま、出てこない。
くぐもって聞こえる声が、不機嫌ですと伝えてくる。
「ごめんってー…」
「るさい。ケダモノ。発情期。人食い狼。死ね」
「ちょ! そこまで言う!?」
「ばーか。ばかばかばか。体中痛ぇぞ。起きれねぇ」
少し掠れてる声が、昨日のアレを彷彿とさせるわけで…。
それにうっかりニヤニヤしたら、ちょうど泉が顔を覗かせた時で、またも罵倒の嵐だった。
体中が痛いというのは本当らしく、いつもの蹴りやらはないけども。
言葉ってのも結構鋭利なんだって。
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