原因を作ったのは
俺かもしれないけどさ。

何で、
そこでお前が出てくるんだよ。

どうせなら
栄口とか西広が良かった。


●●近距離リミテッド●●●


浜田と喧嘩した。
喧嘩自体は、わりと珍しくもない。
些細な事で言い争ったりもする。

…ただ、今回はいつもと違う。
浜田が、俺を完全無視・避けてきて、取り付く島もない。

事の発端は、一本の電話。
それは、浜田の父親からで…九州で一緒に暮らさないか、という内容だったらしい。

それに浜田本人はすごく動揺し、戸惑っていた。
それもそうだろう、俺がもし浜田の立場だったら、いきなりそんな事言われても…みたいな感じになると思う。

『泉は、どう思う…?』
『…うーん…、俺は…その、親父さんの意見も、もっともだと思う…』

『え…?』
『父親だったら、子供と一緒に暮らしたいんじゃないかなって…』

『泉は、俺と離れても平気なの…?』
『そういうわけじゃ…でも、遠距離になっても、俺は別に…』

『……ふーん。そうなんだ…』
『浜田? 何怒ってんだよ、俺が』

『もういい。分かった』
『は? ちょ、っと! どこ行くんだよ!』

『どこだっていいだろ』
『な! お、おい浜田!』

俺の制止する言葉も無視して、浜田は部屋を出ていってしまった。
その内帰ってくるだろうと待ってたけど…結局は、朝になっても帰って来なかった。

翌日、登校はしてきたものの、浜田の機嫌はすごく悪くて。
昨夜はどこに泊まったのかと聞いても、全部無視ですぐに立ち去られてしまう。

…ったく、何なんだっつーの!
何怒ってんだよ、俺が無責任に引き止められるわけねーだろ!
家族の問題に、俺が口出しできねーんだから!

そう言いたかったセリフは、未だに伝えられてない。
ていうか、勝手にキレられて俺もムカついてんだ。

浜田なんか、知らねー!



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