「なぁ、梶くん」
「何だい、梅くん」
「作戦に抜かりはないな?」
「おうともよ」
●●Triangle War●●●
「お、いらっしゃーいv」
俺らの作戦を知る由もない、呑気な浜田の家にやってきた。
満面の笑みで俺と梶を招き入れ、いつも通りにコーヒー2つを煎れてきてくれる。
「久しぶりじゃね? こうして3人で会うの」
「そうだな。って、お前が泉くんとばっか会ってるからだろ」
「えー! いても気にしなくていいのにぃ」
「こっちは気にすんだよ」
俺の返答に、隣に座りながら梶もうんうんと頷いてる。
雨の日ということで泉くんがいるんじゃないかと事前に浜田にメールしたら、今日はどうやら栄口くんや三橋くんと遊びに行くらしい。
俺も梶も雨で退屈ですることがなく、こうしておちょくりに…もとい、からかいに…じゃなくて、遊びに来たってわけだ。
作戦の打ち合わせ内容としては、浜田の目の前でさりげなーくイチャつき、リアクションを見る、って感じだ。
見て見ぬフリをするのか、ツッコんでくるのか、逆に追い出されたりして?
どんな返しがくるのか分からないけど、俺らがイチャつくと浜田が内心あわあわするってのは知ってるから、あえてやってやろうじゃないか、と。
単なる暇つぶし以外の何物でもないけど、意外にも梶が乗り気なんだよな。
コイツも相当ヒマだったってことだな。
一緒に宿題をやろうという名目で集まったから、一応ノートやら問題集をテーブルに広げる。
俺に倣って梶も浜田も取り出して並べ始め、コーヒーを飲んだ。
それに梶が気づき、同じようにコーヒーを飲む。
そう、これが作戦開始の合図ってわけだ。
よっしゃ!
からかいまくってやるぜ!
・ ・ ・
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