「スープバーとかつける?」
「当たり前だろ。あとドリンクもな」

「サラダは?」
「ん〜…それはいいや」

「じゃ、ボタン押して」
「おう」

普段クールなくせして、食べ物が絡むと無邪気になってる気がする。
しかも、何かにつけてボタンを押したがってるような…。
バスとかさ、後はエレベーターとか、ボタン式の自動ドアとかさ。
何でかはよく分からないんだけど。

すぐに店員が来て、注文を伝える。
ドリンクバーはあちらです、と説明をされてる間、泉がずっとスープバーの向こう側を見つめていた。
そして、店員がいなくなった後、すぐに立ち上がる。

「どうしたん?」
「あれ花井じゃね?」

見れば、確かに見覚えのある坊主頭。
スープバーの先にある席に、一人で座っている。

「よぅ、花井」
「…ん? お、泉じゃん」

「よー! 偶然だな」
「あ、浜田さんも。偶然スね」

「一人か?」
「いや、今田島がトイレに…」

「よーす、浜田〜! 泉〜!v」
「グハッ!」

花井が言い終わらない内に、田島が走ってきて泉に突進してくる。
ちょうど腕がみぞおちにぶつかったようで、泉が一瞬呻いた。

「こら田島。店の中走るんじゃない」
「は〜い!」

「お母さんか!」
「子供か!」

俺と泉の同時ツッコミに笑いながら、田島が席に座る。
その流れで、俺たちもそのテーブルに座らされた。


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