「加具山さんも、面倒くさい性格ッスね…」
「はぁ? おま、喧嘩売ってんのかよ!」

「俺が嫁にもらいたいっつってんスから、答えはイエスかノーでしょ?」
「お前な、物事はそんな簡単じゃねーんだよっ」

ぷいっと顔を逸らせば、それより早く榛名の顔が近づいてきてて。
あれ、と思った次には、さっきトレーニングルームでされたような、深いキスを仕掛けられていて。
何だよ突然!っていうのと、ここ外だから!っていうのと、慣れてる甘い刺激に頭がごっちゃになる。

俺がおとなしくなったのを見てなのか、榛名が濡れた音をさせながら、俺の口から舌を抜いた。
名残惜しくて、また少し追いかけてしまう。

すると、さっきとは違って、またキスをしてくれて。
…これも、榛名が遠まわしに言いたいことの一つなんだろうか?

「好きッスよ、直人さん…?」
「ん、おれも…」

至近距離で微笑む榛名に見惚れながら、つい素直になってしまう。
俺の返答に満足したのか、ニマニマ笑いながら頭を撫でてきた。

「それでOKッスv 要は、気持ちの問題スからv」
「お前って、本当にポジティブだな…」

「加具山さんがネガティブ過ぎんスよ!」
「そっかな〜?」


そう笑い合えば、遠くから『カァー!』と一際高い、カラスの鳴き声が聞こえた。


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