・ ・ ・ ・ ・


「まだ時間いいスか?」
「んー? うんー」

帰り道の土手で、二人で並んで寝っ転がる。
そこはいつも俺たちの寄り道コースで、ただ喋るだけだけど、俺にとってはそんくらいの距離感がちょうどいい。
さっきみたいに近過ぎるのは、心臓に悪いからな…。//

「…で、さっきの話なんスけど」
「さっきって?」

「進路相談がどうの、っつーアレっす」
「ああ、あれね。今日プリント渡されてさ、来週締め切りなんだよ」

高校卒業。
そんなの、まだまだ遠い未来に思っていたのに、いつの間にかこんなに近い。
来年の今頃、俺はどこで何やってんだろうな…全然想像つかないや。

「進学っすか? 就職?」
「んー、一応進学。就職ってまだよく分かんないし…」

「ふーん…?」
「進学ってもいろいろじゃん。専門、短大、大学…でも、どれもピンとこないんだよなぁ〜…」

今までずっと野球だけしてきたし。
榛名のおかげで、勝利の味に夢中になって。

がむしゃらに走ってきたこの先に、今夢中になってるコレがないなんて信じられない。
いや、進学した先でも野球できるのかもしんないけど…。

今隣にいるコイツは、いない。


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