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くたっとなった俺の体を、机に座った織田が後ろから支えてくれる。
一日に二度の熱は、俺にとってかなり疲れる行為で。
消灯時間も過ぎてるし、かなり眠い。
でも、織田がなかなか離してくれない。
部屋に戻りたい、なんて言えるような雰囲気じゃない、甘ったるい空気が満ちていた。
「なぁ、叶…」
「んー…?」
「さっきな、吉からええこと聞いてん」
「なにー…?」
眠い目を擦りながら聞けば、2学期に変わる前に、双方の了解があれば部屋替えができるっていう話で。
良かったら、俺と一緒の部屋に戻らないか、というものだった。
さっきまで眠かったのに、一気にパチっと目が覚めてしまう。
「したら、叶との時間増えるし…アカン?」
「マジ!?」
「マジや。どう?」
「…うん、いいな、それ…」
「吉もな、俺らに気ぃつかわんでも良くなる言うて、嬉しそうにしとったわ」
「ははは、そっか…。何か、照れるな…」
何か、一緒に暮らそうって言われたような、そんな感じ。
これからは、
時間気にしなくていいってことだもんな。
嬉しくて笑えば、
同じように織田も笑って。
これからもこの笑顔がもっと増えればいいと、月明かりの中でまたキスを繰り返した―――
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