「あいつら、何やってんの?」
「宿題忘れたって言ってたから、教えてあげてるんだよ。昼休みに教えるって言ってたの聞いたから。次英語で、今日はあっこの列当たるんだ。1問だけだけどね」
「宿題くらい、自分でやれっつーの…」
「そうだねぇ」
から揚げを食べながら、巣山の皺を見る。
沖の人の良さに呆れてるのか、それとも沖との時間をとられたからなのか。
まぁ、どっちかなんて、考えるまでもないんだけど。
「巣山、沖のことが気になんの?」
「え? いや、別に…そういうわけじゃ…」
「ふーん…?」
「何だよ、その目…」
「別に? 言いたくないなら、いいけど」
「……西広」
「なに?」
「もし、何かに気づいてるなら、そのまま知らないフリしててくれ」
「? どうして…」
「あ、巣山〜。そこ座られたら俺食べられないよ」
「俺が代わりに食ってやるよ」
「ちょっと! ダメだって!」
教え終わったみたいで、沖が戻ってくる。
巣山の体をぐいぐい押しながら、お弁当にありつこうとしてる。
さっきまでの皺がスッキリなくなった巣山は、フザけて沖のおかずを食べようとしてる。
それを笑いながら阻止する二人を見て、すでに成立してる他のカップルを思い出す。
この二人も、同じようなモンに見えるけどなー。
沖は気づいてすらいないし、巣山は言わないつもりみたいだし。
お互いが片想いだってのも気づいてないわけで。
「いつかなー…」
「なにが?」
つい口から出た言葉に、沖がきょとんと反応するけど。
まさか「いつ くっつくのかなー」って思ってた、なんて言えない。
「何でもないよ。ふふ」
いずれ くっつくだろうし。
もうちょっとだけ、
見物してみようかなv
**END**
[*prev] [next#]
3/4
【目次・SR・TOP】