* * *
「大丈夫か?」
「…だりー」
またベッドの中で文句を言っているものの、さっきとは違い、機嫌は良さそうだ。
雷もいつの間にか止んでいたし、雨もザアザアだったのが小降りになってきている。さっき浴びたシャワーのおかげで、体のベトつきもなくなって、スッキリだ。
ベッドの淵に座りタオルで髪を拭きながら、寝てる泉のほっぺたをむにむにする。
それに嫌そうに口を尖らせたものの、目は笑ってる。やべ、マジで可愛いわ…。
「明日も雨だってさ」
「何考えてやがる…」
「泉と同じことv」
「ばっか。二日連続は無理だっていつも言ってんだろ」
少し照れるようにして笑う泉の顔に、トクンと見惚れてしまう。
何回惚れ直させれば気が済むんだ、この気まぐれ にゃんこは…。
「あ、浜田!」
「ん?」
突然、泉が窓の外を指さす。
それに目を向ければ、大きなアーチを描いた虹が浮かんでいた。
雲の切れ間から光が洩れ、雨が少しずつ止んでいく。
「雨の日も捨てたもんじゃないな」
七色に輝く虹を写メしながら、
泉と二人、笑いあった。
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