「…仲直りの方法ぐらい、知ってる!」
「じゃあ、さっさと行けよ。ついでに、テメーの気持ちも伝えて来い馬鹿野郎」

「お前はいちいち一言余計なんだよ!」
「テメーに言われたくねーわ」

阿部がニヤリと笑って、さっさと行けとばかりに体をポンッと押してきた。
ここ数日、俺に纏わりついていた苛立ちは消えて、視界がクリアになった気がする。

まさか、阿部に説教される事になろうとは…栄口や西広じゃなく、コイツにだなんてな。

俺もだけど、阿部も本気だった。
それだけ、俺の…俺たちの事を、本気で考えてくれたんだろうか。

三橋を不安にさせてるからって、口では言ってたけど…本当にそれだけか?
なんて、阿部に聞いた所でスルーされるのがオチだな。

「…おい、阿部」
「なンだよ、とっとと行けよ。時間ねーぞ」

「行くよ、行きますよ。そうじゃなくて」
「あ?」

「…そのー、何つーか…」
「? なに」

くそっ、ちょっとは察しろよ!
栄口にだったら、素直に言えるのに!

…とか思ってる場合じゃねーな。
仲直りの方法も知ってるけど、お礼の言葉だって知ってるんだ。

「……あ、ありがと」
「!? …お、おー」

「そんじゃ、行くわ!」
「あぁ、行ってこい」

照れくさくて、顔も見ずに言ってしまったけど、たぶん気持ちは伝わった。
今度は、浜田に気持ちを伝えに行く番だ。


待ってろよ、浜田!

思いっきり引き止めてやる!



・ ・ ・


[*prev] [next#]
6/11

目次SRTOP






人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -