誰もいない視聴覚室に連れて行かれた後、まるで投げ捨てるかのように腕を離された。
すぐに阿部から離れて、腕が痛いだのお前には関係ないだのと騒いでると、阿部がそれよりデカイ声で「うるせー、ガキが!」って睨みつけてきた。

「はぁ!? 誰がガキだっつーんだよ!」
「テメーに決まってんだろ、このクソガキが!

何でタメのお前にガキ呼ばわりされなきゃなんねーんだよ!
ただでさえイライラしてるのに、ますますムカつかせんじゃねーよ!

「田島と三橋から、大体の内容は聞いたぞ。テメーが100%悪いんだから、さっさと謝って来い!」

「はぁ? 何で俺が悪いんだよ、浜田が勝手にキレたんだよ! それに、俺が話しかけても無視するし…!」

「無視してるからって、声が聞こえないわけねーだろ! 無視しても耳は聞こえてんだから、それでも食らいついて謝れっつってんだよ!」

「何で俺がお前に指図されなきゃなんねーんだ! ほっといてくれよ!」

「俺だってな、お前らが喧嘩しようが何しようがどうでもいいんだよ! けどな、それによって三橋に来るダメージ考えたら無視出来ねーだろうが!」

…なるほどな。
何で俺に構うのかと思ったら、俺たちが喧嘩してるのを見て三橋が不安になってるのを、阿部が心配してるって事か…

妙に納得しつつも、やっぱり阿部の言う事は聞きたくない。
コイツがムカつくのもあるけど、俺は何も悪い事言ってないんだから。謝る理由がない。

いや、俺だって浜田に謝ろうとしたんだ。
言葉が足りなかったかな、って思ってさ、声かけたんだけどガン無視されたんだ。

いつもは喧嘩すると、すぐに浜田から折れてくるくせに…
ったく、何なんだよ、もう!

聞く耳持たないんじゃ、仲直りのしようがねーじゃんか!


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