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お互いにイライラしてるのを隠さずに過ごしているせいか、田島と三橋だけではなく、クラスメイトや野球部全員にも知れ渡ってしまった。
別に、知られても痛くも痒くもねーし。
部活すんのは俺だけだから練習に支障はないし、ムカついて家にも行ってないから会うのは教室だけだ。
その教室だって、浜田は授業が終わればすぐどっか行くし、休み時間だって姿が見えない。
…あーあー、そうかよ。
そんなに徹底的に無視するんだったら、俺だってお前の事無視してやるからな!
怒りの炎はなかなか鎮火せず、いつまで経っても燻ったまま。
喧嘩してる当人たちより、周りの方がオロオロしてて…それに少し申し訳ない気持ちもあるけど、浜田が無視し続けてる間は、仲直りなんてしてやるもんか!
…なんて、思っていたのに。
西広や栄口、水谷に「早く仲直りしなよ」と諭されても頑として譲らなかったが…まさかここで、阿部が来るなんて思わなかった。
「ちょっとツラ貸せ」
「テメーに貸すツラなんか、持ち合わせてねーんだよ」
「俺だって好きで借りに来たんじゃねーよ、カスが」
「俺がカスなら、お前はクズだな」
「お前と罵り合いしに来たんじゃねーよ。いいから、来い!」
「…ぃって! ちょ、離せよ!」
強引に腕を捕まれ、ぐいぐいと引っ張られる。
少しは手加減しろっつの、このバカ力…!
大体、俺と浜田が喧嘩して、阿部に何のデメリットがあるんだよ。
お前が興味あるのは、三橋と野球だけじゃねーか!
ほっといてくれっつーの!
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