「ゲッホゴホ! ごっ、ゴホゴホ…!」
「きったねーなぁ! 危なくノートにかかるとこだったろ!」
「だ、だって、ゲッホ! お前らがっゴホッ!」
「何のことだよ。何もしてねーよな?」
俺がしらばっくれると、梶がまた「そうだな」と返事した。
けど、2回目となると浜田も黙っていられないらしい。
ひとしきり咳き込んだ後、ガタッと立ち上がり俺たちに向かって指を差してきやがった。
「騙されるもんか! ちゃんとこの目で見たんだぞ!」
「何を見たんだよ」
「お前らがイチャついてんのだよ!」
「だーから、イチャついてねーって」
「ウソだ! 俺の前でイチャつかないって約束しただろ!」
「何のコトだかサッパリですな、梶くん」
「そうだな、梅くん」
「な・ん・だ・とぉ〜!?」
赤くなってわなわなと震える浜田を見て、心の中で大笑いする。
こうリアクションでかいと、からかい甲斐があるってもんだよな。
「ははーん… お前、さては泉くんとご無沙汰だろ?」
「な、何がだよ?」
浜田は何の事だか分かってないが、梶には通じたらしい。
俺の言葉に続き、「溜まってんじゃねーのか?」と言い放った。
「だから、そんな幻覚見るんじゃねーの? 願望が幻覚になって見えたんじゃね?」
「願望…? いや、そんな事ない! だって、泉とは3日前にシたもん!」
「3日前? じゃあ、そろそろムラムラしてくんじゃねーの?」
「それは確かに… って、そうじゃなくて! 泉は関係ないだろ! お前らがイチャついてんのは幻覚じゃなくて事実!」
よっぽど俺らがイチャついたのが嫌だったのか、浜田が主張を曲げない。
知らんぷりするのも、ココまでが限界だったか。
そろそろからかうのもお開きかな…って、思ったんだけど。
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