* * *
今日は散々だった。
アイツに呼び出された挙句、目立つところでキスまでされて。泉にバレたらどうなってたか、と身震いする。
変にうわさが流れなければいい…と祈りながら、部室に向かう。
そろそろミーティングが終わる時間だしな。
階段を上り、ノブに手を回したら鍵が閉まっていた。
あれ? もしかしてもう終わったのかな。
携帯を見てもメールも着信もない。
先帰ったのかな…と階段を下りながら考えてると、梶山がいた。
「何してんの?」
「おー、何かあいつから変なメールきてさ」
「メール? 何て?」
「『助けて! 泉君めっちゃ怖い!』っていう…」
「泉!? 何であいつが一緒にいんの?!」
「知らねーよ。で、ここかなぁーって思って探しにきたんだけど…」
まさか、泉がリンチとか…いやいや、ないない。
あいつが不条理に暴力するのは阿部と水谷だけだ。
「とりあえず、俺から泉に連絡とるわ」
「ああ。ついでに助けてやってくれ」
「…できたらな」
もうすでに助けられないかもな、と思いながら、泉に電話をかけた。
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