* * *


「あのー、栄口さぁ〜…」
「…なに?」

並んで座って、お弁当を広げたものの…食べ終わるまで会話ナシなんて耐えられない。
食べ始める前に、仲直りしないと!

「あの…ご、ごめんね?」
「…なにが?」

「俺が、そのー…メールのこと…」
「メール? …メールだと思ってたの?」

「え? 違うの?」
「…違うよ、ばか」

プンって顔を逸らされて、困ってしまう。
それ以外で何かあったっけかなぁ?

「水谷さ、すぐに"浮気"って言うよね。メールしてるだけでも、泉と遊ぶだけでもさ」

拗ねた口調で言われて、グサッと胸に槍が刺さったみたいに怯んでしまう。
確かに、すぐ言っちゃってるかも…?

「それって、俺のこと信用してないってことだろ? そんなのってないじゃん…」

お弁当の玉子焼きに 箸でプスプスと穴を開けながら呟く。
信用してないわけじゃないのに!

「ご、ごめん! そんなつもりじゃなくって…!」
「…分かってるよ、それも」

慌てて弁解しようとしたら、栄口の口調がいつも通りになった。穴も開けなくなったし…もしかして、許してくれそうな気配?


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